ブラックホールによる潮汐力の計算

潮汐力とは

 ある物体Aに別の物体Bの重力が掛かった時、その重力加速度は物体Aが大きさを有するので、その部分により異なります。物体Aを球体とします。物体Bに近い側の方が、物体Bから遠い側の方よりも重力加速度が大きくなります。その為に、物体Aは引き伸ばされ楕円体に変形しようとします。この引き伸ばされる力を潮汐力と言います。この潮汐力は、物体Aが物体Bに向かって自由落下している時にも起こります。

潮汐力の計算

シュバルツシルト

 そして、その潮汐力Ftは、次の通り計算されます。
Ft=2GMmr/R^3
G=万有引力定数=6.67384×10^-11m^3Kg^-1s^-2、M=物体Bの質量、m=物体Aの質量、R=物体AとBとの距離、r=物体Aの中心からの距離です。
 例えば、ブラックホールである物体Bの質量を、太陽の10倍の2×10^31Kgとします。その時、シュバルツシルト半径は約30Kmです。表面重力は約1.5×10^11Gです。人の身長を1.5mとすると、潮汐力は、(1-(30,000/30,001.5)^2)×1.5×10^11G=15,000,000Gとなります。このGが掛かると、人はあっという間にばらばらとなるでしょう。
 この潮汐力は、ブラックホールの質量が大きいほど小さくなります。太陽程度のブラックホールの場合、人体に掛かる潮汐力は約10億G、太陽の1億倍の巨大ブラックホールの場合、潮汐力は1000万分の1Gと非常に小さくなります。

人が気絶する位置

 人が気絶するGを10Gとします。ブラックホールの質量により、人がブラックアウトする位置は異なります。ここでは、ブラックホールの質量を太陽の10倍と設定します。すると潮汐力が10Gとなる距離Rは、次の通り求めることが出来ます。但し、人の身長を1.5m、体重を60Kgとします。
@Ft=2×6.67384×10^-11m^3Kg^-1s^-2×2×10^31Kg×60Kg×0.75m/R^3=10G
 ここでは、脳に係るGを求めるので、人の中心から脳までの距離を0.75mとして計算しました。これを解くと、R=2.30527×10^7mとなります。

 ブラックホールが太陽の10倍の質量であった時、人がロケットにのりブラックホールに近づくと、ブラックホールから2.30527×10^7メートルのところで、ブラックアウトします。