銀河系から受ける向心加速度を測定出来るか

自由落下

 地上で銀河の中心からの向心加速度を測定するには、大変な困難が伴います。

 地球も人も銀河の周りを回転しています。これは、地球と人が、銀河の中心に向かって自由落下している状態です。今人間が、体重計に乗っているとします。確かに、地球と人間には銀河からの重力の作用が働いてはいますが、地球も人間も体重計も銀河の中心に向かって自由落下しているのです。従って、幾ら体重計で測っても、銀河の中心からの重力による体重の変化は基本的には起こりません。

潮汐力

潮汐力

 但し、地球は赤道方向の直径が12,756qあるので、銀河の中心が天頂方向にある時と真下方向にある時とでは、人と銀河の中心までの距離が変化します。重力は距離の2乗に反比例します。従って、銀河の中心が天頂(天頂時と言う)にある時と真下(真下時と言う)にある時とでは、重力の強さが変化します。

 その為に、天頂時と真下時とでは体重計の目盛は僅かに変化します。これを潮汐力と言います。説明を簡単にする為に、地球と人間は、銀河の中心にある巨大ブラックホールの重力で銀河の周りを公転しているとします。

 そして、その潮汐力Ftは、次の通り計算されます。
Ft=2GMmr/R^3 《G=万有引力定数=6.67384×10^-11m^3Kg^-1s^-2、M=銀河の中心にある巨大ブラックホールの質量、m=人間の質量、R=巨大ブラックホールと地球との距離、r=地球の半径です。M=8.154×10^36s、m=60s、r=6.378×10^6m、R=2.8×10^20mとします。》

 その結果、人に掛かる太陽の重力による潮汐力は、1.897×10^−26m/s^2と算出されます。これは、地球の重力の1.93485×10^−27倍です。体重60kgの人には、1.16091×10^-25sとなります。つまり、体重計の変化は60sから60−(1.16091×10^-25)sの範囲で起こるのです。目盛の変化が余りにも小さいので、実験で地上の物体に掛かる向心加速度を測定することが出来ないのです。

観測出来るか

 現実には、銀河の中心にある巨大ブラックホールによる向心加速度のみではありません。銀河を回っている2000億から4000億個と言われている恒星からの向心加速度も加わります。測定は現在の技術では不可能なようです。