1分が60秒である理由

夜時間を知る方法

 時間を知る方法を考察します。
 昼なら、太陽の位置から時を知ることが出来ます。しかし、天体観測をする夜に、今何時かを知るにはどうすれば良いでしょうか。時間が分からなければ、天体の動きを記述出来ません。

 エジプトの天文学者は、天空に円を描く様に等間隔で並ぶ36個の星を見つけました。これを使って夜間の時を知ったのです。つまり、第1の星が天頂に来たら0時、第2の星が天頂に来たらそれから1/36日経過したとしたのです。

 何故36個にしたのかは伝えられては居ませんが、36は2・3・4・6・9・12・18と多くの約数を持つので、1日を1/2・1/3・1/4・1/6・1/9・1/12・1/18に分割して天体の動きを記述する際、小数点が付ず使い易いからでしょう。

 ここから、1回転が360度になりました。10度天体が動けば1/36日経過します。

24等分になった理由

 しかし、36個の内見え難い星もあったので、エジプト新王国時代に見え易い24個の星に直されました。これで、1日は24時間となったのです。

 どうして、24個としたのでしょうか。コンパスを使えば360度を12分割出来ますし、またそれを簡単に等分することも出来るからとも言われています。

 紀元前1500年頃の日時計も、日の出から日没までに出来る影が動く範囲を12分割しています。

プトレマイオスの地図

プトレマイオスの地図  以上より1回転が360度となったので、地図を書く際地球を経線で360分割して描きました。西暦150年頃になり、クラウディオス・プトレマイオスが、1度を60等分して1分、更に1分を60分割して1秒を作り、より精密な地図を作製しました。

 何故60分割したのか伝えられてはいませんが、60は2・3・4・5・6・15・20・30で分割しても割り切れるので、使い易かったのでしょう。

 これで、地図上は地球が一回転して360度、1度の1/60が1分、1分の1/60が1秒となりました。一方、時間を1日が36時間のままにしておけば、地図と一致します。時間を知るには太陽や星の位置の角度を測定します。その角度と時間が一致するのです。

 しかし上記の事情により、1日の1/24が1時間となりました。ですから、天体の角度と時間が一致しなくなったのです。

 ただ、当時は1時間よりも小さな時間の単位は余り使われませんでした。何故なら、精密な時計が無かったからです。ですから、分や秒と言った1時間より小さい単位は余り意識されませんでした。

正確な時計の文字盤

 正確な時計が作られる様になったのは、16世紀の終わり頃です。その時、1時間を更に細かく分割する必要が生じました。

 時計の文字盤を12分割して、短針が1周して12時間経過します。長針が一周して1時間経過します。その時、1時間を何分にしたら良いでしょうか。

 ここで、角度における1度の1/60が1分、1分の1/60が1秒と言う思考方法が採用されました。1時間の1/60が1分、1分の1/60が1秒とされ、角度と同じ名前の単位となったのです。

 そうすると、1の所に長針が来れば丁度5分、2の所に来れば10分となります。10進法では長針で分を表わすことが出来なかったのです。